2005年05月
しずくのぼうけん
あらすじ 村のおばさんのバケツから、ぴしゃんとしずくは旅にでました。現代ポーランド一流作家の手になるとびきりモダンで楽しい絵本。(出版社 / 著者からの内容紹介)絵:ボフダン・ブテンコ
シンプルでユニーク
ごくごくシンプルな線と色づかい。とりたててかわいらしい絵というわけではないが、ほのぼのとしていて邪気がない。これだけ薄い本(7mm/24 p)なのに作りがしっかりしているのがいとおしい。裏表紙のしずく模様にはやられた〜(意図しないキュートというのか)。
レタリングとは
良くできた小説でさえ、文字組の悪さによっては読みにくくなり実際の実力より低く評価されてしまうこともある。絵本にとって文字は絵と同じように大切だ。それでも多くの絵本ではごくありふれた活字が使われ、文字は脇役に追いやられている。この「しずくのぼうけん」の文字は手描き。原作者が描いたと錯覚してしまうほど絵に「ぴったり」とあっている。けれどもこれは海外の絵本に日本人が訳をつけたもの。どうしてこんなに絵とそっくりのタッチなんだろう、誰がこんなに手の込んだ仕事をしたのだろう。と不思議に思っていると「レタリング=堀内誠一」の文字。あ〜!!!そうだったのかぁ。
ほんとうに彼は感動をあたえてくれるひとだ。
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かいじゅうたちのいるところ
あらすじ いたずら好きのマックス。おかあさんにしかられて、ほうりこまれた寝室からかいじゅうたちのいるところに冒険する物語。絵:モーリス センダック
ペンの繊細さ
この絵本を手にとって最初に感じるのが繊細さです。ペンでふちどりしたり影をつけていて、その上に薄めに色をつけているのですがこの画法は神経質な感じがしませんか?色が地味なこと、主人公の顔が可愛らしくないことも加えて、こういうクセのある絵は好みが分かれると思うのですが、たくさんのこどもに受けていることがとても不思議です(おとなに好まれるのはよくわかります)。冒険ものではエルマーシリーズが素晴らしく面白いのですが、その少し下の年齢向けの定番絵本なんでしょうね。
かいじゅうの定義
この絵本のかいじゅうは、怪獣というよりはお化けっぽいですね。日本のおばけとの区別をするため、この訳になったのでしょうか。目が黄色。髪が生えていたり人間そっくりの足を持っているものもいて気味が悪い。マックスと遊んでいるうちに、ちょっと可愛く思えてくるんだけど最後の言葉が「たべてやるから いかないで。」っていうのもこわいですねー。
1964年コルデコット賞受賞作品
日本では1975年の発行になっていますがセンダック36歳の時の作品なんですね。それに対してわたしたちもジャックもガイもみんなホームレス
かいじゅうたちのいるところ
絵・文:モーリス センダック 翻訳:じんぐう てるお
価格: ¥1,470 (税込)
40 p ; サイズ(cm): ヨコ26 x タテ24
出版社: 冨山房 ; ISBN: 4572002150 ; (1975/01)
ぼうし
あらすじ ももたろう、きんたろう、べんけい、しろくん、みほちゃん。次々に出てくる登場人物達、みんなぼうしをかぶっている。「あなた いつまで かぶっているの?」「○○するまで」このかけ合いのくり返し。なんだかとってもシュールで、変で、固くなった頭がほぐされていくよう。絵:せがわ やすお
さまざまな。
切り絵のようでもあり版画のようでもあり線画もあり絵の具もあり。セピア調の表紙だけれど中の主役達はカラフル。その下に描かれた脇役達はシンプルな色づけ。主役が大きく描かれているかと思えば脇役達は隅っこで気ままに遊んでいる。自由自在、変幻自在は文章だけではなく絵も同じ。
ぼうし
絵・文:せがわ やすお
価格: ¥1,300+税(1997年)
44 p ; サイズ(cm): ヨコ20 x タテ31
出版社: 福音館書店 ; ISBN: 4-8340-0276-4 ; (1987/06)
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ロミラのゆめ
あらすじ けわしい山々にかこまれたネパールは、日本とちがって、テレビやぜいたくなおもちゃはありません。そのかわり、小鳥の声で目をさまし、動物たちといっしょにくらす素朴な生活があります。この絵本は、ネパールの小さな村でいきいきとくらす少女、ロミラの物語です。(偕成社 ロミラのゆめより)絵:金田 常代
ネパールの暮らし
外国人の描いたエキゾチックな絵になることだけは極力さけ、そこに住む人々の文化を研究して家財道具や装身具の細部にいたるまで細心の注意をはらいました。(あとがきより)
大きな目の登場人物たち
カミラはともかく、ヤギも大きな目に長いまつげなところに親近感持ちました。私も自分の作品の中で鳥や魚に長い下まつげをくっつけますから(笑)。そういえばゾウにはまつげはないけれども上まぶたがついていて妙に色っぽい。こんなところも私、共感を覚えました。
あと、カミラが赤い実を食べているところがいいです。「あおい きのみには どくが あるから、きを つけなくちゃ」って言ってるんだけどとってもみずみずしくっておいしそうなんです。こりゃいつかヤギが間違ってたべてしまうわな〜なんて心配になりました。
ロミラのゆめ―ヒマラヤの少女のはなし
絵:金田 常代 文:金田 卓也
価格: ¥1,365 (税込)
34 p ; サイズ(cm): ヨコ25 x タテ23
出版社: 偕成社 ; ISBN: 4033310703 ; (1982/01)
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ぼくはぞうだ
あらすじ 写真や絵本で実物より小さく描かれていることに不満を持っているぞうの話。ひとや他の動物との大きさくらべ・能力くらべの知識絵本でもある。絵:五味 太郎
五味ワールド
絵の具の厚塗りで重みがある。けれどもバックがほとんど白なので圧迫感はない。五味太郎の素朴なようで、ちょっと風刺が効いている絵がつづくのだが最後に象の実物写真のアップ、びっくりしてしまった。
ぼくはぞうだ
絵・文:五味 太郎
価格: ¥880 (税込)
大型本: 28 p ; サイズ(cm): ヨコ22×タテ25
出版社: 福音館書店 ; ISBN: 4834007383 ; (1988/03)
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アフリカの音
あらすじ アフリカ。どこからか太鼓の音が聴こえてくる。みんなで踊って大地の恵みに感謝する。そして、変わらない一日がまた始まる。絵:沢田 としき
これぞアフリカ
すごく雰囲気のある絵。想像では描けない、現地の人が描いたような、そこで暮らした人だから描けるというような、愛着や愛情を感じる。アフリカでは日常生活で静寂と喧噪の両極端を感じることができるのだろう。日本では日常の中で静寂を体験するのは難しいし喧噪はあっても人工の音が混じっている。この絵本は日常生活での静と動の、色や構図の対比が面白い。
アフリカの音
絵・文:沢田 としき
価格: ¥1,575 (税込)
大型本: 34 p ; サイズ(cm): ヨコ26.5×タテ25
出版社: 講談社 ; ISBN: 4062076810 ; (1996/03)
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おしゃべりなたまごやき
あらすじ いたずらをした王を盗み見ためんどりは秘密を卵の中にかくす・・・えーと、似た話ありましたね、穴を掘ってその中に向かって秘密をさけぶ話。絵:長 新太
その数に圧倒された
最初に見たとき、ニワトリが何百と描かれているのをみて、こりゃ太刀打ちできないな。と思った。原作を読んでどんどんイメージがふくらみ、筆が止まらなかったんだろうな。描いていて楽しくて楽しくてしょうがなかっただろうな。と思わせる絵。そんな仕事ができるなんて、ほんとうにうらやましい。軽いタッチの絵も多いが本作は厚塗り絵の具の上にクレヨンの線を載せたちょっと重厚な感じのする描き方(なのにユーモラス)。
長 新太
1927年9月24日東京生まれ。 絵本作家・漫画家・エッセイスト。 本作で文藝春秋漫画賞、「はるですよふくろうおばさん」で講談社出版文化賞、「ヘンテコどうぶつ日記」で路傍の石幼少年文学賞、「ゴムあたまポンたろう」で日本絵本賞など受賞多数。 数多くの作品と数多くのファンを持つ。
おしゃべりなたまごやき
絵:長 新太 文:寺村 輝夫
価格: ¥1,155 (税込)
サイズ(cm): ヨコ27 x タテ26
出版社: 福音館書店 ; ISBN: 4834003787 ; (1972/12)
かさ
あらすじ きょうはあめふり。ちょっととおいけど、えきまでおとうさんをむかえにいこう。絵:太田大八
モノクロの世界に赤
雨の日の町のようすが黒一色で描かれている。マンガ風の気楽なタッチと墨絵風の塗り。その中にひとつだけ少女の傘が真っ赤。この色が不安な一人旅を元気づけてくれる。
太田大八
1918年長崎県生まれ。他の作品に「のぼっていったら」「まほうこうじょう」など
かさ
絵・文:太田大八
価格: ¥999 (税込)
27 p ; サイズ(cm): ヨコ21.5×タテ26.5
出版社: 文研出版 ; ISBN: 4580811275 ; (1975/02)
長ぐつをはいたネコ
あらすじ これまた他力本願な男の物語。だけど主役はネコなんだから、まあいいじゃん?父が死んで三男に残されたのは一匹のネコだけ。このネコが頭を働かせて貧しい男を逆玉の輿させる。絵:ジュリアーノ・ルネッリ
ちょっと怖くてエレガント
主役のネコの目はつり目で大きい。いつも口を開けて笑っている。この顔がちょっと怖い。けれども先のとがった真っ赤なブーツを履いて背筋をしゃんと伸ばしているさまは、とってもエレガント。最後までこの赤が効いている。人間の顔は間抜けなくらい可愛らしい。
ジュリアーノ・ルネッリ
1966年イタリア生まれ。広告会社のイラストレータから画家へ転身。世界中の美術館をたずねてまわるのが夢だとか。
長ぐつをはいたネコ
絵:ジュリアーノ・ルネッリ 原作:シャルル・ペロー 文:末松 氷海子
価格: ¥1,470 (税込)
大型本: 24 p ; サイズ(cm): ヨコ22×タテ29
出版社: 徳間書店 ; ISBN: 4198612625 ; (2000/10)
かたあしだちょうのエルフ
あらすじ ライオンとたたかって片足をなくした、ダチョウのエルフ。こどもたちのために黒ヒョウと戦い、皆を見守る木に生まれ変わる。絵:おのきがく
作者の激しい感情を感じる版画
主人公エルフが鳥なので悪役のライオンや黒ヒョウ、ハイエナと比べると、無表情に見えたりコミカルに見えたりする。そこが逆にエルフの心情を想像させ、悲しくさせる。荒削りな作風が作者の情熱を伝えてくる一冊。
おのきがく
1924年東京生まれ。シェル美術展、国際版画ビエンナーレ展で受賞。版画・油絵画家。他の絵本として『さよならチフロ』『おんどりと二まいのきんか』『しらさぎちょうじゃ』など。
かたあしだちょうのエルフ
絵・文:おのき がく
価格: ¥1,050 (税込)
サイズ(cm): ヨコ21×タテ24
出版社: ポプラ社 ; ISBN: 4591005364 ; (1970/01)

